摂食・嚥下④

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こんにちは。

歯科衛生士の華山です。

今日は「ご飯を飲み込む(摂食嚥下せっしょくえんげ)」メカニズムについて第4弾です。

液体や食品を指示に合わせて嚥下(えんげ、飲み込むこと)したり咀嚼(そしゃく、噛むこと)後に意識して嚥下する「摂食嚥下の過程」を5期に分けて考えます。

①先行期

②準備期

③口腔期

④咽頭期

⑤食道期

今回は④の咽頭期(いんとうき)についてのお話です。

咽頭期では、ものを飲み込むときの「ごっくん」という反射が起こります。食物を咽頭から食道へ送り込む、まさに摂食・嚥下のメカニズムの中でも重要な過程です。

③の口腔期で形成された食塊を舌の先から舌全体を持ち上げることで奥に送り込み、それと同時に鼻に流れ込まないように軟口蓋が奥を塞ぎ、気管へ入り込まないように咽頭蓋が倒れ、気管の入口に蓋をして(この時息を止めています)食塊が気管に入り込む(誤嚥)のを防ぎます。そして、食道の入り口が弛緩し、食塊は食道へと流れて行きます。この複雑なメカニズムを約0.5秒で行なっています。

ここで飲み込むタイミングと咽頭蓋が気管を塞ぐタイミングがずれてしまうと、食塊や水分が気管に流れてしまうことが起こるのです。

気管には誤嚥を防ぐもう1つの門、声門があり、気管に入ってきた異物に対して激しくむせて外に出す防御機能を持っています。

しかし、気管の機能が低下している場合むせることすら出来ないという事もあり、その場合は誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。

声門はちょうど喉ボトケの位置にあり、声を出す声帯があります。日頃、あまり声を出さない方は声門が弱くなってしまい、防御機能が低下する場合もあります。お心あたりのある方は、出来るだけ声を出すトレーニングをすると良いでしょう。

 

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