禁煙🚭をするワケ

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こんにちは
歯科衛生士の華山です。
さて、前回は加熱式タバコと紙タバコのお話をしました。
今回は禁煙🚭についてのお話です!

禁煙と聞いて耳が痛い方もいらっしゃるかもしれません。

タバコがやめられないのは意志が弱いだけではなく、とても強い依存性があるからなのです。
 タバコを吸うと、血中のニコチン濃度が一気に上昇します。すると身体はニコチンを毒物とにて判断して懸命に分解しようとします。なのて30分から1時間ほどで肝臓で代謝されます。
 血中のニコチン濃度が低下すると、イライラ、不安、脱力など不快な離脱症状が出てくるので、またタバコを吸ってしまうのです。このサイクルが依存へ繋がっていくのです。
 ニコチンの依存性はヘロインやコカイン以上で、やめにくさもそれに匹敵するのだそうです。

⚪︎ニコチンの強い依存性⚪︎

《依存性の強さ》
 ニコチン > ヘロイン > コカイン > アルコール >カフェイン

《離脱症状の強さ》
 アルコール > ヘロイン > ニコチン > コカイン > カフェイン

《使用を止める難しさ》
 {アルコール=コカイン=ヘロイン=ニコチン}>カフェイン

 さて、ニコチンは何をしているのでしょうか。
私たちの脳には、ホッとする、安心する、落ち着くなどの気持ちを生み出す神経があります。美味しい食事をした、仕事が終わった、など良いことの刺激が脳に伝わるとアセチルコリンという神経伝達物質が出ます。アセチルコリンは脳内の神経に結合し、神経が興奮して電気が流れます。そうすると脳の前方にある側坐核という部分からドパミンという物質が分泌され幸福感を生み出します。
そのアセチルコリンに似た物質こそタバコの葉に含まれるニコチンなのです。タバコを吸って、5〜10秒後には肺から脳へ血流に乗ってニコチンがやってきます。そしてアセチルコリンの代わりに神経と結合し、『良いこと』がなくてもドパミンを出すのです。
しかしこれは脳の錯覚に過ぎません。ニコチンがアセチルコリンの代わりをするようになると、アセチルコリンがサボりはじめ、良いことがあっても反応しなくなり幸福感が得られなくなってしまいます。つまり、ストレスからの開放がうまくいかなくなってしまうのです。結果、タバコがないと幸福感を得られない脳になってしまいます。

口腔内においてタバコの影響はどうでしょうかか。タバコは歯周病やむし歯だけではなく、口腔がんのリスクを高める危険性があります。タバコの煙には約200種類の有害物質が含まれており、そのうち約70種類が発がん性物質です(紙タバコの場合)。

⚪︎タバコに含まれるニコチンや有害物質による口腔内への害⚪︎

・子供の受動喫煙による乳歯のむし歯
・歯ぐき(歯肉)の色素沈着、歯周病
・歯の着色、歯石沈着、むし歯
・口腔がん、前がん病変、口内炎、カンジダ症など
・味覚減退、黒毛舌など
・口臭、唾液の変化など
・インプラント治療など外科治癒がうまくいかず失敗する

よし!禁煙するぞ!とチャレンジされた方は多いかと思います。でもやっぱり戻ってしまった、、、という方も多いと思います。
短期間の禁煙は意味がない?いえいえ、そんなことはありません。禁煙することで短期的、長期的に体の変化は現れます。

🚭禁煙20分後…血圧と心拍数が正常値に戻る。手足の温度が戻る

🚭禁煙8時間後…血中の一酸化炭素濃度が下がり、酸素濃度が上がる

🚭禁煙24時間後…心臓発作のリスクが軽減する

🚭禁煙48時間…身体からニコチンが抜ける。脳の神経がニコチンの欠乏に慣れる。味覚、臭覚が改善し始める

🚭禁煙72時間…気管支の緊張が取れて呼吸が楽になる

🚭禁煙2〜13週間…血行が良くなる。運動が楽になる

🚭禁煙1年後…心臓発作のリスクが半減する

🚭禁煙5年後…子宮頚がんや脳卒中のリスクが非喫煙者と同じくらいになる。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がんのリスクが半減する

🚭禁煙10年後…肺がんのリスクが半減する

歯ぐきの血流も5日くらいで非喫煙者と同程度になります。血流が良くなると、傷の治りが良くなったり、再感染のリスクが減ります。なので、口腔外科治療の時に禁煙をすすめるのです。歯ぐきの色素沈着も時間はかかりますが綺麗なピンク色になるようです。

長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?タバコを吸わない人から見たら迷惑なタバコの煙。受動喫煙の問題もありますね。
タバコの悪影響は喫煙者だけでなく周りの人にも影響を与えます。

もう一度真剣に考える機会になれば幸いです。

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