おはようございます。世田谷通りデンタルオフィス松陰神社前の壱岐です。今日は咬み合わせの中でも重要な役割をもつ犬歯(糸切り歯)についてお話を致します。
みなさんは犬歯というと何を思い浮かべますか!?
『八重歯』
『キバ』
などでしょうか。
肉食、雑食の動物たちはこの犬歯を使って肉を引きちぎります。
ではそのような働きをする歯にはどのような特徴が必要なのでしょうか?!まずは肉に強く引っかからなくてはいけないので尖ってなくてはいけません。なので犬歯は矢じりのような形をしています。
ご自身の歯を触ってみて下さい。尖ってませんか?!尖ってないという方はこの犬歯が生えた9歳前後の頃には尖っていたのに、夜間の歯ぎしりですり減って来てしまっています。
そして2つ目の特徴としては食い込ませた肉を引きちぎらなくてはいけないので横の力に強くなければなりません。なので犬歯は全ての歯の中で一番太く、長い根っこを持っているのです。これはレントゲンを見てもらえばほぼ全ての方がこのようになっています。
このように尖った歯の頭のかたちと、太くて長い根っこは肉を食べるには絶対的に必要な形態なのです。
そして犬歯は人間にとって大きな仕事をもう1つしているのです。
それは寝ている間の歯ぎしり、食いしばりの横の力から奥歯を守ってくれているのです。
奥歯というのは上には細い根っこが3つ、下にも薄い根っこが2つあります。これはイスやテーブルと同じで縦からの力にはめっぽう強く、全体の咬み合わせを支えてくれています。しかし、細かったり薄かったりする根っこは横からの力にとても弱いのです。
私達も奥歯を抜かなくてはいけない時は横に揺らしながら徐々に抜いていきます。縦の力だけでは抜けないからです。
そこで大事なのが犬歯です!正常な咬み合わせをもつ方は横に歯ぎしりをすると犬歯だけが当たってそれ以外の全ての奥歯が離れるようになっています。これをミューチュアリープロテクテッドオクルージョン(犬歯誘導)と言います。
この機能によって睡眠中の歯ぎしりなどの余計な力から奥歯を守ってくれているのです。
歯ぎしりは脳のストレスを解消するためにやっていると言われていて、自覚のない方も多いと思いますがほぼ全ての方がしているものなのです。
逆にこの力が奥歯にかかってしまうと歯周病が局所的に悪くなったり、歯にヒビがはいったりします。
その前兆として歯がしみたり(知覚過敏)する方が多くいらっしゃいます。これは危険な信号を身体が教えてくれているのです。一番この症状が出やすいのが犬歯の後ろの歯で、犬歯が削れてなくなってしまった方に出やすいです。
是非ご自身の犬歯が正しい機能をしているか確認して見て下さい!!!