噛み合わせの治療
噛み合わせの治療とは?
現在、歯を失う原因の1位と2位は歯周病と虫歯です。
ではこの2大疾患の予防と治療をしていれば歯を失うことはないのでしょうか?
そんなことはありません。
歯を失う原因の第3位に入るのが「噛み合わせ」の異常によるものなのです。
みなさんの中にも同じ歯ばかり詰め物が取れたり、
痛みが出たりなどの経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たかが一本の歯の治療がうまくいかない原因が、
根本的な噛み合わせのズレによるものということもあるのです。
ただ闇雲に痛くなった歯だけを治療することは
その場しのぎの治療になってしまい、また再発してしまいます。
正しい検査・診断をして、その一本の虫歯・詰め物・かぶせ物が取れてしまったりする原因を突き止め、
原因を除去していくことが重要です。
「噛み合わせの治療」とはこの歯と歯の異常なズレをを改善し、
お口の周りの筋肉・顎の関節に調和した状態にしていく治療です。
噛み合わせの治療をしないとどうなってしまうのか?
噛み合わせが悪いというのは、全体の歯が均等に噛んでいる状態から
バランスが崩れてしまって、強く当たっている歯と
ほとんど噛んでいない歯が出てきてしまうということです。
このバランスを治してあげないと同じ歯にばかり力がかかり、酷使され続けます。
その結果、
- 1. 歯にヒビが入る
- 2. 歯が突然割れる
- 3. 歯に激痛が走る(神経が炎症を起こす)
などが起きてきてくる場合があります。
こうなってしまうと歯の神経を取ったり、
歯を抜いたり後戻りのできない治療をするほかなくなってしまうのです。
そして噛み合わせが悪いと顎の関節の病気(顎関節症)や、
肩こり、めまい、頭痛など体の不調の原因にもなります。
噛み合わせが悪いと「一番力を入れた時に噛む位置」と
「筋肉・関節が安静に1番リラックスできて噛む位置」が
大きくずれてしまうのです。
その結果、顎の関節が圧迫されて顎関節症になってしまったり、
筋肉が歪んでしまって身体全体のバランスが悪くなり、肩こり・頭痛の原因となったりもするのです。
噛み合わせからくる
全身への影響
- 1. 顎が音がする、口を開けると痛い、口が開けづらい
- 2. 肩こり
- 3. 頭痛
- 4. めまい
- 5. 左右のバランスが悪い
これらの症状の原因は一つだけだけではないので、結果には個人差がありますが、
噛み合わせの治療をすることで上記の症状が全くなくなってしまう方もいます。
整体に行っている方は効果が上がったり、ヨガなどをする方はバランスが良くなったという方もいます。
噛み合わせチェックリスト
- done 歯がしみる
- done どこで噛んでいいかわからない
- done しっかり噛めていない気がする
- done 顎が疲れやすい
- done 顔の左右差がある
- done 歯ぎしり・食いしばりがある
- done 歯科治療の後から噛み合わせが変わった気がする
- done 過去に矯正治療をしていた
- done いつも同じ歯、同じ側ばかり治療している
- done 顎から音がする、開けると痛い、口が開けづらいなど顎の症状がある
- done 肩こりがある
- done 頭痛がする
- done めまいがする
これらの症状がある方は噛み合わせに異常があるかもしれません。
一度ご相談ください。
こんな方にオススメ!
噛み合わせの治療
- done 同じところを何度も治療している方
- done 歯ぎしり・食いしばりがある方
- done 矯正治療をしていた方
- done 肩こり・頭痛がある方
- done めまいがする方。メニエール病と診断されたことがある方
- done 運動能力を高めたい方
- done 体・顔のバランスを整えたい方
- done ヨガをしている方
噛み合わせの検査について
1. 問診 | 噛み合わせのどこに問題を感じているか、過去にどのような治療をしてきたか、今後どのような状態にしていきたいかなどをお聞きします。 |
---|---|
2. レントゲン撮影 | 現時点で歯や歯を支える骨、顎関節にどのような症状が出ているかをチェックしていきます。場合によってはCTにて顎関節の状態を確認する場合もあります。 |
3. 顎の運動検査 | 顎がどのように動き、どれくらい開くか、空いた時に音がしないか、などをチェックしていきます。 |
4. 筋肉の検査 | 頭から首にかけてのあごの運動に関係する筋肉を押して痛みがないかをチェックしていきます。 |
5. 歯の検査 | 直接お口の中を見て、異常な状態になっている歯はないか、それぞれの歯がしっかりと機能しているかなどをチェックします。 |
6. 模型による 噛み合わせの検査 |
上下の歯型の模型、頭蓋骨に対する上顎の位置、筋肉がリラックスするあごの位置といつも噛んでいるあごの位置とのズレを特殊な機械を用いて診断していきます。 |
噛み合わせ治療の流れ
① 検査結果をもとに異常な噛み合わせの原因となっている
詰め物、かぶせ物などを調整する
② ソフトスプリントという
やわらかいマウスピースを装着する
このマウスピースは検査結果をもとに個人用にカスタマイズしているものですので通常の歯科医院で作製するマウスピースとは異なります。
これによって顎を理想に近い場所に近づけていきます。
③ 顎が安定する場所をさがす
症状が重度の場合は時間がかかる場合もあります。その場合ハードスプリント(硬いマウスピース)を使用していただく場合もあります。
④ 安定した場所に歯を作っていく
- 1. 噛み合わせの調整のみ
- 2. 1.+詰め物、かぶせ物のやり直し、噛み合わせを作り直す
- 3. 矯正治療
何が原因で噛み合わせが
悪くなるのか?
噛み合わせが悪くなる原因は多岐にわたりますが、
過去の治療が原因の場合も多いです。
今まで詰め物や、被せ物を使って治療をした際に
「なんか噛み合わせが高いな」「いつもと違うな」と感じたことは
なかったでしょうか?
人は2、3日もするとその違和感に慣れてしまい、
何の問題もないように感じてしまうことが多いのです。
しかしそこに落とし穴があります。
その歯の異常を、顎の関節や筋肉が代償となり
バランスをとってくれているのです。
つまり、たった一本の銀歯が、
噛み合わせの異常を起こしている可能性があるのです。
これはお子さんにもよくあることで、虫歯になりづらくさせるために
歯の溝を埋める治療(シーラント)でも起きます。
シーラントを少しでも厚く盛ってしまうと綺麗に上下の歯がかみ合わず悪くなってしまうのです。
その他、多くの習癖が原因となることもあります。
噛み合わせを悪くする原因
- done 高すぎる詰め物、かぶせ物、シーラント
- done 噛んでない詰め物、かぶせ物
- done 抜けた歯、治療中の歯の放置
- done 噛み合わせを考えていない矯正治療
- done 頰づえ
- done いつも同じ方向で寝る、荷物を持つなどの習慣
などたくさんの要因があります。
本当に悪いことが起こる前にしっかりとした治療をお勧めいたします。
噛み合わせについてわからないことなどがあれば、お気軽に当院までご相談ください。
歯の疾患と全身の健康について
歯周病が引き起こす全身疾患への影響については、
近年耳にする機会も多くなってきたかと思います。
糖尿病や心筋梗塞、早産などへの影響は以前からいわれていて、
歯周病が全身のいろいろな病気に影響を与えているのは間違いありません。
加えて、かみ合わせの異常も全身の疾患に影響を及ぼします。
例えば右の奥歯が1本出過ぎていると、それをかわして噛む。
そこでずれが生じることで、ずれて噛む位置で筋肉が変に張ってしまい、
頭痛などを引き起こす。
合わない入れ歯を入れていることで
体のバランスが悪くなり、姿勢がずれる。
姿勢が悪いと血液の循環が悪くなり、体調を崩してしまう。
「正しい位置で正しく噛む」ことが、
歯の疾患に限らず全身の健康のベースとなります。
当院では、歯の治療と合わせて総合的な治療を行っていきます。